オリジナルネット証券

シュワッブは、コンビュータのネットワークを通じて金融商品を提供しているディスカウント・ブローカーです。
しかし、このネットワークに、中立性を売り物にして対面でアドバイスを行う、小さなファイナンシャル・プランナーが結びつくことによって、この結合体はあたかも総合証券会社の色彩を示すようになっているのです。 ここまで6つのミューチュアルファンド会社を紹介してきました。
米国ミューチュアルファンド業界は、 90年代に爆発的な規模拡大を経験しました。 その背景に株式市場の活況があったのは事実です。
しかし投資家の心を捉えるために、ファンド会社の様々な企業戦略が発動されたことは無視できないと思います。 Mの預かり資産拡大への試み、シュワッブのファイナンシャル・プランナーとの提携、フィデリテイの通信販売などです。
日本においても、顧客満足度引き上げのための創意工夫が、今、求められています。 ここで少し異なった視点からミューチュルファンドの販売チャネルを見てみたいと思います。
米国ミューチュアルファンドと退職マネーとの関わり合いです。 これは401(k)プランという確定拠出型の企業年金とミューチュアルファンドがつながったことによって生じました。
大手のミューチュアルファンドの中には、残高の半分が確定拠出型企業年金からの投資で占められているものもあり、 ミューチュアルファンドの販売チャネルとして、もはや無視できないものになっています。 そこで、まず米国年金市場について若干の説明をしましょう。
米国には2種類の企業年金があります。 一つは確定給付型、右上の図の白い方で、伝統的な企業年金です。

日本の企業年金も確定給付型です。 もう一つが確定拠出型、図の黒い方ですが、これは日本にはないタイプの年金で従業員の個人口座に企業と従業員がお金を入れる。
この入れる金額は決まっているけれど、将来いくら年金をもらえるかは運用次第で、今はわからない」というものです。 近年、確定拠出型の資産残高は確定給付型に迫る勢いで伸びており、 96年末では確定給付型が1兆5800億ドルなのに対し1兆4500億ドルと、は匹敵しています。
この確定拠出型年金の代表選手が401(k)プランと呼ばれるものなのです。 ここで簡単な例を挙げて401(k)プランの仕組みを説明します。
401 (k)プランでは、従業員一人一人の個人勘定が設けられます。 従業員は給与やボーナスからの天引きで一定の額をこの個人勘定に入れます。
給与天引きでお金が貯まっていくやり方は日本の財形貯蓄に似ています。 これが従業員による拠出ですが、この拠出については税制上の優遇措置があって従業員の所得から控除されます。
例えばこの人の給与が100で、 401(k)プランの個人勘定に拠出をしたとすると、課税上はこの人の所得は90(100-10=90) とみなされるのです。 企業は従業員拠出に対する奨励金のような形で、その人の個人勘定にお金を入れます。
この会社による拠出はマッチング拠出と呼ばれますが、これも法人税の計算上は損金扱いにされます。 これらのお金の運用は企業が用意した投資商品の中から従業員が自己の責任で行います。
自分の思い描く退職後の生活設計に合わせて現役時代にどれだけの資産形成が必要か、その実現のためにはどのような投資商品が自分にとって適切か、各従業員が自分で考え、決めなければなりません。 まさに従業員の自助努力の年金と言うことができます。
401(k)プランの特色の一つは、従業員が会社を退職する時にそれまで自分の個人勘定に貯めてきた資産を一括給付の形で受け取り、転職先の401(k)プラン勘定に資金を移行させることができる点です。 401 (k)プランに入れたお金は運用収益も含めて、給付を受けるまで課税対象とならないという税制上の優遇措置が与えられていますが、転職先の401 (k)プランに資金を移す、または銀行や証券会社にIRA(個人退職勘定)という退職マネー用の口座を聞いてそこに入れるという方法を取れば、年金としての税制優遇措置を失わずに済むのです。

米国では労働市場の流動化が進み、サービス業など業種によっては社員が3-4年で転職していくことも珍しくありません。 401 (k)プランは経済のサービス化、労働の流動化という米国社会の変化に適した企業年金と言えます。
現在日本においても、経済のサービス化、労働の流動化が進みつつあります。 また、公的年金のみで老後を支えることも困難になってきています。
自助努力の年金である401(k)プランの日本への導入は検討に値すると信じます。 401 (k)プランの運営次に、 401 (k)プランの運営の仕組みを見てみます。
下の図にあるレコードキーピング、 トラスト、アセット・マネジメントカ"401(k)プランの運営に関わる3つの重要な金融サービスです。 まず、アセット・マネジメント、すなわち投資商品の提供を行っているのはミューチュアルファンド会社、銀行の信託部門、保険会社などです。
これらの金融機関がミューチュアルファンド、コミングル・ファンド(銀行の信託部門の合同運用ファンド)、 GIC (保険会社が一定期間利回りを保証する商品)といった金融商品を提供し、その中から従業員が自己責任で投資対象を選んで、資産配分を決めます。 トラストのサービスを提供するのは銀行の信託部門です。
投資された有価証券の保護預かりといったサービスを行います。 401(k)プランの運営で伝統的な企業年金と異なる最大のポイントは、個人勘定を管理する膨大な記録事務を処理するレコードキーピングのサービスにあります。
特に大企業のプランの場合など、膨大な事務を手作業でこなすのは不可能ですから、レコードキーピングには大規模なコンビュータ・システムが必要になります。 レコードキーピングは元々、会計事務所、年金コンサルタント、銀行の信託部門などが得意としてきたのですが、近年、 ミューチュアルファンド会社が積極的に進出しています。
自社が運用する投資商品とレコードキーピング・サービスをパッケージの形にして提供するのです。 ミューチュアルファンドの直販や対顧客サービスで培ってきたノウハウやコンビュータ・テクノロジーを応用することで、銀行や会計事務所よりも従業員に喜ばれるサービスになっています。
正確なレコードキーピングを中核に、フリーダイヤルで毎日、従業員からの個人勘定の残高の問い合わせやミューチュアルファンドの乗り換え請求を受け付けるといった対従業員サービスを充実させて、従業員、ひいては企業からの評価を高めているのです。 その代表例がFで、同社は96年、サービスを提供している従業員数で見た401(k)プラン・レコードキーピング業者のランキング第1位でした。

投資の選択肢としてのミューチュアルファンドきて、 401 (k)プランでは従業員自身が企業が用意した選択肢の中から投資対象を選ぶわけですが、実際にはどのような金融商品が提供されているのでしょうか。 401 (k)プランでは法規制上、 リスク・リターンの特性の異なる商品を最低3種類は用意しなければならないことになっています。
自社株だけ、公社債ファンドだけというのはダメなのです。

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